大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和37(オ)430 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする

理 由

上告代理人南政雄の上告理由について。

原判決理由中に、所論のとおり、甲七号証を一方において事実認定の資料に供し

他方においてこれを排斥している趣旨の記載があることは明らかである。しかし、

右甲七号証(上告人から被上告人に宛てた書簡)の記載内容を原判決認定事実およ

び証拠判断の記載と対比すれば、同号証中上告人が被上告人に対して金五六一、五

〇〇円の支払を約する旨の記載のある部分は、これを採つて事実認定の資料に供し、

他方、鉄筋が上告人において訴外D金属株式会社に納入の斡旋をしたものであつて

右鉄筋代金は上告人の本件前渡金返還債務より控除されるべきものでないから右代

金額を右訴外会社に支払われたい旨の記載のある部分は、これを措信できないとし

て排斥している趣旨であることを窺うに難くない。しかして、上告人から被上告人

に宛てた両者間の取引に関する書簡のような書証について、裁判所がその記載の一

部を採用して事実認定の資料となし他の一部を排斥するにあたつては、必ずしもど

の部分を採用しどの部分を排斥するかを明示する必要がなく、その記載内容を判文

と対照してどの部分を採用しどの部分を排斥するかを了知しうれば足りるものとい

うべきであるから、原判決に所論の違法はなく、論旨は採用できない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 横 田 正 俊

裁判官 河 村 又 介

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裁判官 垂 水 克 己

裁判官 石 坂 修 一

裁判官 五 鬼 上 堅 磐

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